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自転車のバッテリーでお湯を沸かし、電気毛布で暖を取る! インバーターで防災を身近に
10月7日に応援購入サービスMakuakeにて、弊社の新商品「チャリパワー(ivt2499)」のプロジェクトを公開しました。開発を始めたのは今から4年前。世界中が新型コロナウイルスの感染拡大で経済の見通しが立たない苦難の時期でした。
困難を乗り越えながらこの4年間をリードしてきた開発担当の金が商品開発までの道のりを振り返り、PR担当の高崎が発信します。
実はとっても身近にある大容量バッテリー
自然災害の多い日本。「チャリパワー」は多くの人が日常的に使う電動アシスト自転車のバッテリーを緊急時に使えたら、家族を守るための備えになるのでは? という発想から生まれました。
自転車のバッテリーは通常、子供の送り迎えや買い物など移動でしか使いませんが、実は大容量で大型ポータブルバッテリーより使う頻度が高いため、残量の確認もこまめに行っています。
例えば、電動アシスト自転車用バッテリー8.0Ah、25.2Vの場合、ワット数に換算すると約202Wh。これはモバイル電源54600mAh、3.7V/202Whと同等の容量です。しかも、電動アシスト自転車のバッテリー自体にBMS(バッテリーマネジメントシステム)という電子制御回路を搭載しており、火災などのリスクを低減するよう設計されています。
大手3社の自転車バッテリーを活用する自動認識インバーター開発の裏側
パナソニック、ブリヂストン、ヤマハ、この国内シェアのほとんどを占める大手3社のバッテリーに対応するインバーターが完成すれば、“防災”は特別なものではなく日常の一部になる。開発当初からそのように確信していました。
「当初はコロナ渦であったこと、人手も作業時間も全く足りていない状況でのスタートでした。この商品は、開発は日本、生産は中国という分離体制をとっていますが、リチウム電池は航空危険物に分類され国際輸送は容易ではありません。まずはインバーターの試作を中国で行い、日本に取り寄せてからテストを行う必要があり、不具合をひとつ改良するためにも多くの時間を必要とします。ただ、問題にじっくり向き合えたからこそ、最初の設計にはなかった、バッテリーを本体にセットするだけでパナソニック、ブリヂストン、ヤマハを自動認識するスイッチを追加することができました。この技術は特許を出願中です」(金)
試作トラブルと士気低下を克服。500W出力を目指した「チャリパワー」開発の挑戦と綿密な検証作業
「チャリパワー」のコンセプト設計は“定格電圧25.2V~25.9Vのバッテリーで500Wの出力”です。500Wの出力があれば緊急時も応急的な対応が可能となります。しかし、最初の試作では500Wまでの出力が確認できず、改良した試作第2弾はUSB-Cの出力ができないなど、トライ&エラーの繰り返しでした。
「問題をひとつずつ特定するため、USB出力の基盤のみを国内に取り寄せてテストするなど、他の業務をこなしながら検証と検査の日々でした。組み立て工程でのちょっとした歪み、接触不良など、工場でテストできないことで予期せぬ問題が頻発し、生産現場とは検査の数字、画像、動画など、細部まで共有し、オンラインミーティングを重ねてきました」(金)
終わりの見えない試作作りで生産現場からは製品開発を断念したいという声も上がり、開発は失速しかけたことも。ただし、ここで諦めなかったことで製造工程の改善にも成果を上げることができました。
能登半島地震を機に開発加速。「チャリパワー」が”防災製品等推奨品認証”を取得
そんな中、2024年の1月1日に石川県能登半島で震度7の地震が発生しました。停電を余儀なくされた地域もあり、これまで以上に開発現場と生産現場で密な連携を図り、開発を進めることになりました。
「その甲斐あって量産に向けた最終形の試作品が届きましたが納得いくものではなく、次の試作でようやく社内テストにも合格しました。その試作品を持って防災安全協会へプレゼンへ行き、この夏に「チャリパワー」は防災分野において有益な活用が可能で安全性、機能性、利便性に寄与する製品として承認されました」(金)
「チャリパワー」は500Wまでの電気製品、電子機器に給電するインバーターです。
緊急時は小型調理器でお湯を沸かしてインスタント食品や赤ちゃん用のミルクを作ることを可能とし、冬は電気毛布、夏や換気が必要なときはファンの電源となります。
アシスト自転車ユーザーからうれしい応援メッセージも!
いざというときに子どもの手を引きながらでも持ち運びやすいよう、本体はコンパクトで、軽量設計という点も私たちのこだわりです。
もちろん、情報を得るためのスマホやタブレットの急速充電にも対応します。
クラウドファンディングのプロジェクトを公開しているMakuakeでは、電動アシスト自転車ユーザーからの応援コメントもいただいており、スタッフ一同の励みになっています。
「チャリパワー」はアウトドアでも真価を発揮します。防災を身近なものにするためにも、まずはキャンプや庭でご活用いただき、いざというときが来ても安心につながる商品として広めていきたいと思っています。
※本製品は弊社キャンプギアブランド「キャンキャンパー」のオリジナル製品であり、パナソニック株式会社、ヤマハ発動機株式会社、ブリヂストンサイクル株式会社のライセンス製品ではありません。