読みもの
忙しい女性の仕事の悩みに即効! 「プラダを着た悪魔」
「やってもやっても誰も評価してくれない」「あの人は私を嫌ってるからこんな目に合わせるんだわ」
仕事をしていればこんなことを言いたくなる時もありますよね。理不尽な要求に無能な上司、努力しているのにちっとも評価してくれない時…。そんな時、あなたはどうしますか?今回ご紹介する「プラダを着た悪魔」の主人公も同じような境遇に立たされます。ボスからの要求や周囲の期待、自分への批判を気にするあまり、本当の自分の気持ちや欲求に目を向けられなくなってしまうことも。そんな時に観ていただきたいのが今回ご紹介する「プラダを着た悪魔」です。
2006年に公開されてから今なお世界中の女性たちに絶大な支持を得ている「プラダを着た悪魔」。あの世界的ファッション誌「VOGUE」の伝説的編集長、アナ・ウィンターをモデルとした物語で表題にもある“プラダ”以外にも名立たる一流メゾンの当時の最新ファッションが詰め込まれた作品です。衣装はその抜群のファッション性で大人気となった「セックスアンドザシティ」と同じパトリシア・フィールドが担当し、洗練されていながらエレガントな、ため息が出るような数々のコーディネートも必見です。
舞台はファッションの最前線、ニューヨーク。「君がファッション誌のアシスタントに採用だって?面接は電話で?」。つまり「君の恰好を見た上でファッション誌のオフィスが君を雇うわけないよね」、と彼氏に言われてしまうくらい冴えない雰囲気のアンドレア。名門大学卒でジャーナリスト志望のアンドレアはファッションやアクセサリーに無頓着な女の子。そのアンドレアが世界的なファッション雑誌「RUNWAY」のアシスタントとして入社することから始まります。
「プラダを着た悪魔」とは主人公のボスで冷酷な鬼編集長と恐れられながら、抜群のセンスと決断力で現代のファッションを築き上げてきたミランダ・プリーストリーのこと。前述の彼女のモデルである「VOGUE」編集長、アナ・ウィンターとは性格も雰囲気も、オフィスの中までそっくり!ミランダ役で自身14度目となるアカデミー賞ノミネートを果たしたメリル・ストリープの演技にも注目です。
ミランダの鬼上司ぶりはアンドレアへの指示の壮絶さが物語っています。「この間の店で見たデスクを今すぐ用意して」「車の点検をさせてちょうだい」「娘のためにサーフボードが必要よ」、なんてものは序の口。「ハリーポッターの新作を娘のために用意して(しかも出版前のもの!)」「15分以内にステーキを用意してちょうだい(しかも用意したのに「いらない」と言われる)」「今すぐNYに帰りたいから飛行機を調達して(ハリケーンで全便決行中の時に!)」などなど…。
理不尽な要求の数々に、「私がちゃんとやっても彼女は認めてくれないし、お礼だって言わない」と愚痴を言うアンドレア。しかし同僚のナイジェルに「それなら辞めなさい。喜んで働く女の子がたくさんいるから。甘ったれるな」と反対に言われてしまいます。そこで彼女は行動を起こすことにしました。ファッションやスタイルに無関心な自分を変え、一流ファッション誌の仕事をする自らの立場に見合うよう、生まれ変わることを決意するのです。
ナイジェルにサポートをお願いし、フルコーディネートをセンスアップさせ、誰の目にも生まれ変わったアンドレアが最初に魅せるのはライン使いが印象的なシャネルのジャケットを主役にしたモノトーンスタイル。女性らしいフォルムにプレッピーなエッセンスを加えたエンブレムがあしらわれ、上品でありながらも重すぎない、カジュアルなテイストを生み出しています。光沢のあるゴールドのインナーは大胆なカットで胸元を美しく見せ、数連のゴールドネックレスがデコルテのセンシュアルな雰囲気を一層引き立たせます。それにマイクロミニのグレーのスカートとシャネルのブーツを組み合わせ、一流ファッション誌で働く活動的なレディを完成させています。
また首元と腕口のアニマルファーがポイントの、目が覚めるほどに色鮮やかなグリーンのAラインコートに白のグローブ、シャネルのサングラスを加えた毒ありグッドガールコーデもパトリシア・フィールドのセンスが光るところ。
その他ミュウミュウのシャツスタイルにラルフローレンのキャスケットでカジュアルダウンしつつ、円形のフューチャリスティックなバッグを合わせる…などなど個性の強いアイテムが奇跡の融合を果たしているのは本当にマジック!
ドルチェ&ガッバーナ、マノロ・ブラニク、ジミー・チュウ、ヴィヴィアン・ウエストウッド、マイケル・コース、カルバン・クライン…。数々の一流メゾンの芸術品とも言える装飾品を身にまとったアンドレアのスタイルはまるで「VOGUE」の表紙のよう。場面ごとに変化していくハイセンスなコーディネートの数々は、大好きなファッション誌をめくっていくような昂揚感を伴います。
しかし仕事が順調に進み始めると同時に、大好きな彼との関係や私生活が立ち行かなくなるのもよくある話。キャリアとプライベート、仕事と恋、そして人としてあるべき姿とは…。思い切った決断をするアンドレアに多くの人が共感するのではないでしょうか。
周囲の環境や自分に期待されること、私たちは常にそれらに押しつぶされそうになりながら仕事をしています。でも、その環境を選んだのは自分自身。「自分は何がほしいの?」「私は何がしたいの?」「大事な人を犠牲にしてまでやるべきことなのかしら?」。それを時々問いかけることであなたのやるべきことが見えてくるかもしれません。恋に仕事に頑張るあなたに、ぜひ見てほしい一本です。
プラダを着た悪魔