読みもの
涼を呼び込む夏の花あしらい
一年中、色とりどりの花が並ぶ花屋さん。夏も花を飾りたいのに、すぐに水が濁ったり、花の持ちが悪かったりと億劫になりがちです。けれど、家の中に花があるだけで空気が洗われたように清らかに。
夏だからこそ楽しみたい自宅用のアレンジをKONOHA店主の鵜飼亜希子さんが指南します。ポイントは“グリーンとの組み合わせ”。おでかけついでに花屋さんに立ち寄りたくなりますよ。
上から)初夏から出回るルリタマアザミ、ネギ坊主と仲間のアリウム ブルーパフューム、小ぶりで可愛いアリウム 丹頂
上から)イネ科植物のスモークグラス、持ちがよいテマリソウ、アレンジに動きが出る利休草
大小の花をミックスし、グリーンは多めで涼感を
鵜飼さんが夏のオススメとして紹介してくれたのが写真の花材たち。どれも暑さに強く、日持ちするため、夏の花屋さんではお馴染みです。 「日持ちさせるには花材選びが重要なので、迷わず“暑さに強い花はどれですか?”と聞いてみましょう。そのうえで、こまめな水替え、花の切り口を整える切り戻し、花瓶を洗い、茎のぬめりを水で洗い流す手間をかけることで長く楽しめますよ。アリウムを活ける際は、茎が腐らないように水は少な目で大丈夫!」 そして、意外と忘れがちなのが、クーラーの風を直接あてないこと。涼しい部屋がベストですが、夏の花材は冷風に弱いものも少なくないそう。 「夏は室内に磨かれたガラスや澄んだ水があるだけでも涼を感じるので、花瓶を透明なガラスや淡いグリーンのリサイクルガラスにすると季節感を演出できます。陶器より印象が軽やかな分、シンプルに2,3輪だけでも様になるはず。利休草のように艶のあるものや、スッキリとした姿の花材は夏にぴったり。トップ画像のアレンジもライトグリーンやブルー系で清涼感のある色合いをミックスしました。グリーンは多めを心がけて、花は大小でメリハリを出すとバランスをとりやすいですよ」 ガラスの花瓶がなくても、花を活けるには普段使いのグラスでOK! 是非、夏ならではのアレンジを楽しんでください。花瓶の高さは20ほどで、足元が広がるタイプや中心から少し上にクビレがあるフォルムだと活けやすい。
個性的なグラスならシンプルに活けても存在感は抜群。バランスが難しい場合は小さく、デザート3点のイメージで。
<プロフィール> 鵜飼亜希子/KONOHA店主 幼い頃から植物や動物が大好き。花の専門学校を卒業後、weddingフラワー専属花屋で経験を積み、独立後は川越の小さな花屋KONOHAをオープン。植物と一人一人のお客さまの気持ちに寄り添うことを大切にしている。 >Instagram floristokonoha