タイ、バンコクから半日で訪れることができる世界遺産アユタヤ。古都の栄華と滅亡の姿を残す遺跡群はまるで時が止まったかのように佇み、ツーリストの心を揺さぶり続けています。アユタヤ王朝の歴史を学び、いにしえの姿に心を馳せる旅をご紹介します。
【アユタヤ王朝の歴史】
バンコクから北におよそ80km、チャオプラヤ川とその支流に囲まれた中洲に位置するアユタヤは、14世紀から約400年間、5つの王朝と35人の王が華やかな歴史を築いた場所でもあります。17世紀にはヨーロッパ諸国やペルシアとも外交関係を結び、イギリス人からは「ロンドンのように見事」と称えられたほどの国際都市に発展しました。
しかしながら、度重なるビルマとの戦いを経て、18世紀後半にアユタヤは陥落、ビルマ軍の手によって当時の建造物の多くは徹底的に破壊されてしまいます。顏のない仏像、途中から崩れ落ちている仏塔、土台だけが残された寺院…。大地に広がる過去の遺物は、静かに時を止めたままその姿を残しています。現在は、歴史公園として整備され、1991年にはユネスコ世界遺産にも登録されました。
【アユタヤ遺跡のみどころ】
アユタヤ遺跡の主なみどころは、四方を川に囲まれた島内に集まっています。ビルマ軍との戦いの跡が残る遺跡も多く、タイムスリップしたかのような感覚を味わえるかもしれません。
<ワット・マハタート>
木の根に取り囲まれた仏頭が有名な寺院です。ビルマ軍との戦いで破壊された仏像が立ち並び、崩れ落ちた煉瓦の壁や礼拝堂の土台などが当時の面影を残しています。
<ワット・ヤイ・チャイ・モンコン>
寝釈迦と巨大なスリランカ式仏塔がダイナミックな寺院です。もともとは14世紀に僧の宿泊を目的に建立された寺院で、大きな仏塔は16世紀、ビルマとの戦いに勝利した際に建立されたそうです。仏塔からの眺めるアユタヤの景色も必見です。
<ワット・プラ・シー・サンペット>
15世紀に建立された、アユタヤ王宮内にあった寺院です。宮中行事なども執り行われていましたが、18世紀のビルマ軍侵攻により仏像の多くは破壊されてしまいました。美しい三つの仏塔が特徴的で、夜はライトアップされる名所となっています。
【バンコクから半日トリッププラン】
バンコク滞在中の場合、アユタヤへは半日のプチトリップが可能です。大人の女性の旅の場合、炎天下の遺跡めぐりは避けたいところ。できれば、朝もしくは夕刻の観光がおすすめです。
<ツアー利用で午前に遺跡めぐりプラン>
バンコクからアユタヤへは様々な1日、半日ツアーが出ています。大人の女性にオススメなツアーは、往路が車(バス)、復路が船でリバークルーズになっているプラン。まだ日差しのピークを迎えていない午前中に遺跡めぐりをするためには、早朝にバンコクを出発し、午前中に観光を終えることができる往路が車(バス)のプランは最適。復路は、チャオプラヤ川をゆっくりと船でバンコクに戻ります。リバークルーズの場合、ランチビュッフェもセットになっているプランが殆どですので、船内でのランチタイムを楽しみ、アユタヤからバンコクにかけての川沿いの眺めを楽しみながら、午後のひとときを涼しい船内で寛ぐことができます。
<タクシーチャーターで夕刻の遺跡をめぐるプラン>
夕刻の遺跡が幻想的な姿を見せるアユタヤ。日中にバンコク市内でショッピングやエステを済ませ、夕刻到着を狙ってタクシーチャーターでアユタヤに向かうプランもオススメです。ツアーと比較すると移動時間を短縮でき、涼しい時間帯に美しくライトアップされた遺跡群を眺めることができます。夕刻になると「象乗り」などのアクティビティの参加はできませんが、大人ならではのショートトリップを楽しむことができます。
バンコクへの旅の際、是非、組み込んで頂きたいアユタヤ観光。バンコクの華やかな喧騒とは異なる、悠久の時を肌で感じるひとときとなることでしょう。