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コラム|共働き世帯のリモートワーク生活。理想と現実編
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止の措置として、時差出勤、リモートワークの導入などが推し進められ、私たちの生活は必然的に大きく変化せざるを得ない状況になりました。
また全国一斉休校の要請によって、我が家だけではなく多くの家庭がパニックに。
ただ、我が家の場合は夫婦共にリモートワークを選択できる余地があったため『リモートワーク&育児ライフを運営するための3つのルール』を制定し、いざ始まる強制的働き方改革に挑んだのですが…。
実際にそのルールを活用した理想的なリモートワークは、実現がほぼ不可能だということに気付いたのです。
仕事をするために捻じ曲げた、普段のルール
まず、最寄りの学童は開所していましたが、夫婦二人とも在宅の場合は休みにしようと決めていました。というのも近所では既に感染者が出ていて、もし万が一にも子供が感染した場合はリモートワーク自体ができなくなってしまうと判断したからです。
そしてリモート生活初日は夫婦ともに在宅の予定だったため、子供は自宅待機としました。
しかし、当日の朝になって急きょ夫が出社することになってしまったのです。ただ、この時点では「なんとかなるでしょ〜」という軽い気持ちでいました。
実際のところ、かなり苦労することになるとは露知らず…。
朝、目が覚めた子供は社会の異様な雰囲気を察知し「学校行かなくていいんだよね?」と、何度も私たちに尋ねるのです。それはもうキラキラと目を輝かせて。
こうして夫不在のリモートワークがついに開始しました。
どうしても出社しなくてはいけない日もあるため、在宅か出勤かを家族カレンダーに記入します。
午前中はとにかく集中して作業したかったのですが、宿題を放棄して「ゲームしたい、遊びに行きたい、テレビ見たい!」と、大騒ぎする子供を机に向かわせるだけで時間は過ぎていきました。
何せ1問解く毎に何度も聞かれるのです。「ゲーム、テレビ、ゲーム!」と。仕事なんて出来る状況ではありませんでした。
かろうじて10:30からのテレカンは静寂を確保できましたが、それも子供にゲーム時間を与えることで得たものでした。
しかしここで問題発生です。我が家では「ゲームは1日1時間」というルールだったのですが、あっと言う間にその時間を使い切ってしまい、会議も少し伸びたため15分ゲーム時間を延長してしまったのです。まだ11:45、午後にもなっていないというのに…。
そうこうしているうちにお昼が近づき、今度は「お腹空いた!ごはん!一緒に食べよう!」と声をかけられ、原稿は一行も進まず、私はキッチンへ向かいました。
気が付いてしまった、親のエゴ
子供と一緒にお昼ご飯の焼きそばを食べながら、私は焦っていました。なにせ午前中に遂行できた業務はテレカン参加のみだったからです。
大げさに聞こえるかもしれませんが、本当にこれだけで午前中は終わってしまったのです。
過去に何度かリモートワークを経験したことはあるのですが、子供は保育園か学童に預けていました。あの環境をベースにリモートワーク運用3ルールなど、調子に乗ったことを堂々と前回書いた自分を呪いたい。
そんなことを考えながらお皿を洗っていると、今度は「デザート作りたい!」と、目をランランと輝かせた子供が抱きついてきます。
そう、いま私の子供は自分で刻んだフルーツをヨーグルトに入れるデザートに夢中なのです。時間に余裕のあるときは私も付き合うのですが、「今かよ」というのが正直な気持ちでした。
そして、そう思うと同時に、付き合ってあげられない自分を責めたくなったのです。子供から見れば、普段仕事でいないはずの母親が自宅にいるのに、甘えたいはずなのに、と。
どうにか立て直したい
この日、私はとりあえず子供のヨーグルト作りと宿題に付き合って(この時点で大幅にスケジュールは乱れた)、タブレットとゲームを解禁してから自分の仕事を再開しました。
まだ仕事が完了していないことをチームに伝えると、ありがたいことに「大丈夫、気にしないで!」と言われました。本当に、この恵まれた職場環境には感謝しかありません。
想定していた終業時間を過ぎてしまったものの、ようやく完了連絡を会社にしてから、ゲームのズブ沼にはまっていた息子を呼びに行きこの日は終了。
言うまでもなく、私は出前をオーダーしました。
それから夜、帰宅した夫に「ルールを改訂したい」と、申し出たのです。
次回:ルールは不要か?我が家にとってベストな生活のカタチ